映画「空白」古田新太

　映画「空白」

先日アップしたムロツヨシ主演「マイ・ダディ」より、実はお先に観てたこちらの「空白」
主演は古田新太さん。
テレビドラマでは味のある脇を演じ、バラエティ番組ではいつもちょっと酔っ払ってません？って感じのおもろいおっちゃん。

実は心の中で、「空白」の古田さんと「マイ・ダディ」のムロさん、２人のお父さん対決だなと。
これは絶対に見届けなくてはと勝手に意気込んで映画館へ向かった。

古田新太演じる添田充は漁師の仕事はよくできるのだけど、すぐに頭に血がのぼってしまうちょっと厄介な人物。
中学生の娘・花音（伊東蒼）が学校のことを相談しようとしても、花音のおどおどした喋り方が気に食わずすぐにキレ始めてしまうほど。

そうして相談する機会をなくしたまま、花音はスーパーで万引を疑われ、スーパーの店長・青柳直人（松坂桃李）に追われ逃げているうちにダンプカーに轢かれ亡くなってしまう。

そこから父・添田の狂気が、事故のきっかけを作った青柳を追い詰めていく。。。

ーーー娘は万引していないと無実を信じ、ひたすら学校や青柳を責めまくる添田。

ーーー花音が死んでしまったことに対する罪の意識は大きく持つものの、万引きが多く困っていたから仕方ないと開き直る気持ちもある青柳。

ーーー添田やマスコミから責められる青柳を「直人くんは悪くない」と言い続け、自分は正しい、ボランティアもしているからと、自分の正義や正当性を疑わないスーパーのパート主婦・草加部麻子（寺島しのぶ）

この３人の自分は絶対に正しいと突き進む姿がものすごくてなんだか滑稽にさえ思えた。
いや、人間ってきっとそういうもんなんだよね。
だからこそ、この映画「空白」がより魅力的に思えたのだ。
そしてやはり、古田新太、松坂桃李、寺島しのぶという名優たちだからこそ説得力があり余計にその行方に興味を持てたのだろう。

古田さんが舞台挨拶で、自分と寺島さんは怪物だからと松坂くんに話していましたが、いやいや松坂くんも充分に怪物でした。
青柳の、開き直りと憔悴、葛藤がとても伝わりわたしまで胸が苦しくなってしまった。

勝手に開催した古田さんvsムロさんのお父さん対決。
周りを攻撃してでも娘の無実を守ろうとした古田父。
自分が実の父親じゃなくても娘の命を守るために奔走したムロパパ。
どちらも娘を想う気持ちはPriceless!!
もちろん引き分けでございました。

みちよメーター
涙　度：４★★★★
名優度：５★★★★★

映画：空白
監督：吉田恵輔
脚本：吉田恵輔
音楽：世武裕子
公開日：2021年9月23日