映画「梅切らぬバカ」加賀まりこ/塚地武雅
映画「梅切らぬバカ」
ことわざ「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」とは?
映画「梅切らぬバカ」公式ホームページより
樹木の剪定には、それぞれの木の特性に従って対処する必要があるという戒め。転じて、人との関わりにおいても、相手の性格や特徴を理解しようと向き合うことが大事であることを指す。
「梅切らぬバカ」ということわざの存在を、映画の中で知りました。
ほんとにその通り!みんなそれぞれ得意・不得意ってあるもんね。
そのことわざの意味と、リンクするように人の通行を邪魔するように横に伸びてしまっている梅の木が出てくるお話し。
忠さん(塚地武雅)
自閉症で人とのコミュニケーションが難しく、分刻みのスケジュールで動かないと気がすまない忠さん。
そういう難しい特性を塚地さんが素直に演じられていて、その素直な感じが「悪気ない」「純粋」な人として伝わってきました。
そういった特性を理解しようとしていない人たちからすると、そんな忠さんは「話しが通じなくて怖い存在」
だけど忠さんからしたら、忠さんをよく知らず何かを投げかけてくる人は「よくわからないことを押し付けてくる怖い存在」なんだろうと思いながら観ていました。
基本的に会話は成立しないんだけど、ところどころオウム返しのように相手の言葉をそのまま返して自分の感情を伝えてるシーン、なんだか自分が受け入れてもらえたような妙に嬉しい気持ちになりました。
塚地さんのあったかさが全体的に伝わってきて素敵な「忠さん」でした。
珠子さん(加賀まりこ)
ただただお綺麗な、大御所女優のイメージのある加賀まりこさん。
そんな加賀さんが自閉症の息子を抱えるお母さん役ってどうなんだろうと思ったけど、なるほどと。
はっきり言って、演技派っていう感じではない。
だけどなんというか、大げさじゃない愛情にとても共感できました。
老いていつか死んでしまう自分。そうなったときに、残された子どもがしっかりと生きていけるようにという淡々としてカラリとして、ちょっと悩みつつも息子が気持ちよく過ごせるようにという思いがよく伝わってきました。
そしてさすが下町育ちという感じの気っ風が良い感じもカッコよかったです。
女性が列をなす占いの館?の占い師で「値段はね、言わないの」って言いながらより沢山払わせようというキュートな感じも良かったです。
映画「梅切らぬバカ」感想
予告や前情報から、絶対にコレは涙なみだで席が立てなくなるやつだ!と覚悟してハンカチを握りしめて観始めました。
しかしそんな予想をめちゃくちゃ裏切り、涙したのはほんの一瞬。ほんの一滴。
そうだ。泣いてる場合じゃないんだ。
自閉症の人を取り巻く周りからの偏見。そういったものと対峙するとき、戦うでもなく気勢を上げるでもなく、淡々と理解を求める珠子さん。
本当は忠さんが率先して起こしてしまったわけではない事件にもただひたすら頭を下げ、本当は自分が悪いんだという少年を責めずに受け入れる姿はとても神々しいように見えました。
色々なことに対する、偏見とまではいかなくても思い込みのようなものを取り払って見る力。
それを大事にしなくてはイカンと思いました。
みちよメーター
涙 度:1★
みんな違ってみんな良い度:5★★★★★
映画:梅切らぬバカ
監督:和島香太郎
脚本:和島香太郎
音楽:石川ハルミツ
公開日:2021年11月12日
映画「梅切らぬバカ」twitter
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