映画「とんび」阿部寛

映画「とんび」阿部寛
映画「とんび」阿部寛

朝ドラ「カムカムエヴリバディ」の最終回に朝から涙した日。

阿部寛さん主演で映画化した重松清氏の感動作「とんび」を封切り日に行って来ました。(勇ちゃん風)

以前、NHKで前後編でドラマ化されたのを観ていたので涙するのはわかっていたけど…上映時間中、ほぼほぼ、およそ90%ぐらいの時間を泣いて過ごすことに。

翌朝のただいま、目が腫れて大変。ホットアイマスク(猫ちゃん柄)をつけてパソコンに向かっております。

…どーでもいーですね。

ヤス(阿部寛)

親との縁が薄く、親の愛を知らずに育ったヤス。だけど人一倍愛情深く、不器用で備後の町で一番の名物男。

愛する人・美佐子(麻生久美子)と結婚し、嬉しくて仕方ないのが溢れ出そうなのに溢れさせられない。

可愛い息子・旭が生まれて可愛くて仕方なく愛情たっぷりに育て、成長が嬉しいのに東京の大学に行くのを応援してあげられない。

そんな不器用な感じが絶妙に素敵なお父さんでした。

息子の悪さをげんこつでいけないことだと教え、だけど反抗され正論を言われると自分で自分を殴って血まみれになってしまう不器用さ。自分を傷つけながらも一生懸命に男手一つで育てる姿に心から胸を打たれました。

滑舌が少し悪い阿部さんが、感極まったときに発した「みしゃこ!!」

そんなのもうイジれないくらいに全てが「ヤス」で、途中ふと「そう言えば昔、阿部ちゃんてメンズノンノのオシャンで素敵なモデルさんだったよなー」なんて、風呂場で顔が泡でびっしゃびしゃな姿を見ながら思ったけど、、、今の阿部ちゃんがとっても素敵だなと思いました。

旭(北村匠海)

備後の荒っぽい男・ヤスに育てられた優男・旭。

正確に言うと、旭はヤスとヤスの仲間たちの愛情を目一杯受けて育っている。

途中もやもやを抱え思春期特有の反抗的な雰囲気をだしつつも、一生懸命勉強も頑張り備後から独り立ちしていく旭役の北村匠海さん。最後、旭が年を取ったおじさんの扮装も披露し、中学生から中年以降まで表現されていました。

全体的に、とても繊細な演技を頑張っていたけど…野球部の坊主頭、もうちょっとどうにかできなかったかな?

他の撮影との兼ね合いもあり、坊主っくりに刈ってしまうのは難しかったのかもしれないけど、ギリギリの短髪にするとかしたら良かったのに…。それとおじさんになった旭の、ちょっとふくよかになった体型。お腹に何か詰めてるんだろうけど、ほんのちょっとだけ違和感あり。(我ながら、細かくてうるさいと思うけど。)

もうちょっとベテランさんの、演技がすごい俳優さんだったらそんなディテールは気にならないんだろうけど、若手成長株にはもう少し観ている側へのスクリーンに集中できる工夫があれば良かったのにと思ってしまいました。

照雲(安田顕)

ヤスの幼馴染でお寺の跡取りの照雲。

ヤスには「生臭坊主」と呼ばれているものの、ヤスと旭を暖かく見守り支えている。

いやー、ヤスケンさん、本当に素晴らしかったです!

役柄的にもヤスたちを支えていたし、演技もやっぱり支えていたな〜。

途中、旭と恋人由美の結婚に首を縦に振らないヤスをなんとか承知させようと照雲が一芝居打つ。

照雲とヤスケンさん、「とんび」には欠かせない人物だと思いました。

それと、照雲の奥さんの大島優子さん。

子どものいない自分たちを腐ることなく旭に愛情を注いでいる表情がとてもキラキラして素敵でした。

 

 

「とんび」を観て 感想

泣くのはわかっていたけどここまでとは。

持参したハンカチがこんなにビッシャビシャになるとはさすがに思っていなかった。

全体的には一冊の小説をまとめたせいか、一つ一つのエピソードが少し物足りなくも感じました。

だけどそれでもとめどなく溢れてくる涙…。

ヤスが全力で生きている姿に心を揺さぶられたからなのかもしれないなぁと思います。

ヤスを見ていたら、果たして自分はこんなに全力で子どもたちを育てているだろうか、全力で生きているだろうか?と思ってしまいました。

自分なりの「全力」について考えようというきっかけとなった映画鑑賞となりました。

 

 

みちよメーター
ハンカチびっしょり度:5+★★★★★+
備後の雰囲気好きだぜ度:5★★★★★

映画:とんび
監督:瀬々敬久
脚本:港岳彦
音楽:村松崇継
原作:重松清
公開:2022年4月8日

 

 

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