映画「そして、バトンは渡された」永野芽郁

映画「そして、バトンは渡された」永野芽郁
映画「そして、バトンは渡された」

 映画「そして、バトンは渡された」

 

 

思わず最初に言ってしまいたくなるのだけど、今年観た映画で一番「愛」が溢れていると感じた。

「名も無き世界のエンドロール」「すばらしき世界」「漁港の肉子ちゃん」「ヒノマルソウル」「護られなかった者たちへ」…

様々な形の愛の物語に感動してきたけど、今年観た映画に限らず今まで観てきた映画やドラマ、何と比べてもすごい愛情を感じた。

泣きすぎてしまい暑くて暑くてたまらなくなりました。(この現象が気になって調べたら、自律神経が体を防御しようとして熱を上げているそう。更年期ってわけじゃないのね)

体に変調をきたすほど泣けた映画「そして、バトンは渡された」

原作は瀬尾まいこさんによる人気小説。未読で鑑賞。

血の繋がらない父子・森宮さん(田中圭)と優子ちゃん(永野芽郁)、血の繋がらない母子・梨花(石原さとみ)とみぃたん(稲垣来泉・子役)の二組の親子の物語が交互に進んでいく。

映画を観る前から、この2つの家族の物語が交差することで、観てて混乱しないかな?とちょっと心配だったのだけど全然大丈夫でした。

森宮さん

「子供に栄養をつけさせるのは親の務め」「嫁に出すまでが親の使命」と、再婚もせず優子ちゃんを育てる森宮さんの田中圭さん。

あのカラカラっとした口調でこんなセリフ、なんとも嘘くさいなぁなんて思ってたら優子が「森宮さんウザい」と。

あの感じも含めて森宮さんっていうキャラクターなんだなぁと腑に落ちました。ウザいくらいの義理の娘への愛情、尊い!

優子ちゃん

高校生の優子ちゃんは、作り笑顔で色々ごまかしているからどうやらみんなに敬遠されている模様。彼女の言動のひとつひとつに周りのみんなはシラーッっとヤな感じ。でも優子ちゃんはいつもの笑顔でごまかしちゃう。

先生も、4回も苗字が変わったことを「だから家庭環境が…」とすべてをそれで説明つけちゃおうとしている。

周りの人達の嫌な感じも優子ちゃんは作り笑顔で乗り越える。この永野芽郁ちゃんの作り笑顔、ホントに絶品!

早瀬くん(岡田健史)

すんごいピアノを弾いちゃう優子の同級生。音大の推薦を蹴ろうとして母親と上手くいってない。

岡田くんの、思春期の親とのすれ違い演技はなんてまぁハマるんでしょうね。

「中学聖日記」「ウチの娘は、彼氏が出来ない!!」「望み」…他にもあるかな?思春期青年役。

ピアノを弾く姿も素敵でした。

梨花

いわゆる継母。だけど娘のみぃたんにありったけの愛を「母として」注ぎ込む。でも何も考えずに可愛いお洋服を買っちゃったりして家計は火の車。それも梨花のバイタリティで明るく解決し、乗り越えていく。石原さとみさんだからこその「素敵な継母」なのだろうと思いました。何を考えているのかわからないけど、でもみぃたんが大好きなのは伝わってきて絶妙。全編を通して、妙に石原さん演じる梨花に惹きつけられました。すごい!

みぃたん

みぃみぃ泣いてるからみぃたん。ってなにそれ可愛い。

ブラジルに行くというパパより、友達と約束したからと日本で梨花と暮らすことを決めた。でもいざパパと離れると「パパに会いたい」と泣く。んー、あるよね。子どもってそういう感じだよね、ってのをスルんと表現してて、してやられた感じ。

時々あざとくも感じるけど、そこも含めて可愛い。天才。

泉ヶ原さん(市村正親)

お金もあって、おそらくステータスもあって、そして何よりも梨花の願いを全部が全部受け入れてしまう懐の広さまである。こりゃー市村さんしかできない役なんじゃないかと思った。

こんな良い人、悪い人に騙されちゃうんじゃないかと思うけど、きっとそういう人には引っかからないんだよね。梨花の愛情を知ってるからすべてを受け入れたんだよね。という妄想含めてただひたすら尊敬できる人物。

水戸さん(大森南朋)

みぃたんのパパ。夢のチョコを作りたいというただのチョコ好きおじさんが、急にブラジルで夢を叶えようと動き始めたせいでみんなの人生が変わった元の人。いくらなんでも嫁に確認しないで「みんなでブラジル行くぞ!」で何の躊躇もなくみんなが「ハイ!」って行くわけがない。ちょっと頭がメルヘンすぎやしないか?とイラッともするけど、でもその突拍子もないきっかけのおかげでみぃたんにはパパが増え、そして梨花の愛情を一心に受けて成長できたのだから、結果良かったのかも知れないと思える。

感想

「そして、バトンは渡された」このタイトルの意味は最後によくわかる。

そう聞いてしていた予想はだいたい当たっていた。だけどそのバトンを渡すまでに繋がれた愛情のリレーがここまでだとは想像していなかったので、本当に本当にやられたと思った。

いま自分の目の前にいる子どもたちに、梨花のような本当の意味での愛情を渡せるだろうか?そんなことを考えるきっかけにもなった素晴らしき映画でした。

 

 

みちよメーター
涙   度:5+ ★★★★★+
愛の深さ度:+ ★★★★★+

 

映画:そして、バトンは渡された
監督:前田哲
脚本:橋本裕志
音楽:富貴晴美
原作:瀬尾まいこ
公開日:2021年10月29日

 

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