朝ドラ「カムカムエヴリバディ」2月18日第77話 あらすじ・感想
「カムカムエブリバディ」今日のあらすじ
五十嵐(本郷奏多)に言われ、第一スタジオまで撮影を見に来たひなた(川栄李奈)。
五十嵐はちょんまげ姿の立派な侍に扮して立っている。
五十嵐のことを少し見下しているひなた、あんな格好をしてるけど出番があるのかと心の中で毒づいている。
お姫様の支度をしたすみれ(安達祐実)の出番のテスト撮影が始まる。
お華を活けているすみれの前に、刀を突きつける悪党が登場する。
すみれ「きや〜〜〜!」
棒読みのセリフに見守っているスタッフやひなた、榊原(平埜生成)、五十嵐までも目が点になる。
あまりの下手なお芝居にカットがかかる。
轟監督「相変わらずやなぁ〜。美咲すみれ。」
上を見上げてがっかりしている。
そこにすみれが、お武家のお姫様がお花を生けるのは縁起が悪いからお茶にしたらどうかと提案する。そのせいでセリフに集中できないと。
急な提案に困るが受け入れる監督。
お茶の道具が用意され、改めてテストスタート。
お茶を点てるすみれが茶杓を茶碗に強く打ち「コン」と音がしてひなたがそれに気づく。
テストはそのまま続けられ、次は本番の撮影というとき。
再びすみれは轟の元に、このお姫様と斬られた従者は恋仲だったんじゃないかと新しい設定を提案してくる。
そんな設定はないという轟に、「でもその方がこのシーンの深みが増すと思うのよ」とすみれ。
スタッフは、そんな深いシーンじゃないとすぐに却下しようとするが、轟は何も反論できずに頭を抱え込んでしまう。
監督は何ですみれには怒鳴りつけないんだと、こそこそと話すスタッフ達。
すみれが黍之丞シリーズに出ていた頃、監督はまだ助監督だったから反論できないのだという。
すみれの提案通り斬られた恋仲の従者にすがりつく芝居が採用され、それを見ているひなた「何かよう分からんけど すみれさん ええ作品にしようと思て一生懸命なんやな。」
見ている榊原や五十嵐は苦い顔をしている。
テストが終わると監督「(小声で)編集で 皆 切ってまえ。」とスタッフに伝えている。
すみれに声を掛け、挨拶をする榊原。
ひなた「(心の声)そやった。榊原さんにとってもこの撮影は大事なんや。よ〜し。」
榊原と話すすみれに声を掛けるひなた。
ひなた「すみれさん。あの…茶杓の抹茶を払う時 コツンて音 立てはらへんほうがいいですよ。」
明るく言うが、すみれや周りの人達の顔が凍りつく。
離れて見ている五十嵐も睨みつけている。
ひなた「あっ 私 友達のお母さんが お茶の先生で それ すごく注意されたんです。そやから…。」
笑顔でひなたを見るすみれ。
ひなた「(心の声)よかった。すみれさん 喜んでくれはった。」
すみれ「轟さん。休憩にして。気分悪い。」
時間が押しているという轟に「こんな気分でお芝居なんかできるわけないでしょ!」と怒鳴るすみれ。踵を返して奥に行ってしまう。
榊原「謝り!大月さん! 素人に所作の指導されたら気分悪いに決まってるやろ!」
強い口調で言う榊原に、まずいと気づいたひなたが慌ててすみれの元に行く。
ひなた「あの!ごめんなさい。いらんこと言いました。ホンマにすいません。」
頭を深く下げるひなた。すみれは機嫌悪そうにそっぽを向いている。
ひなた「見てて気づいたもんですから。すみれさんはええ作品つくろうと一生懸命やってはんのやなぁって。」
轟「おいおいおい!誰やこのアホ入れたん。」
ひなた「私はただその気持ちを応援したい思て…。」
五十嵐「出ていけ!」
慌ててやってきた五十嵐がひなたの腕を引っ張る。
五十嵐「お前のようなばかがいていい場所じゃない。」
ひなた「あんたが来いって言うたんでしょ!」
五十嵐「撮影の邪魔なんだよ。早く撮らなくちゃならないんだよ。それがテレビ時代劇だからだよ。いい作品つくるとか一生懸命とか そんなこと誰も考えてない。お前みたいなばかを喜ばせることしか考えてないんだよ。」
スタジオの端にいつの間にかやってきた伴虚無蔵(松重豊)。神妙な顔で話しを聞いている。
ひなた「はっ 何? 私みたいなばかって。」
五十嵐「毎回毎回同じような展開を飽きもせず見てるやつのことだ。同じセットで 同じ場所で 同じことが起きて 同じクライマックス迎えて。大立ち回りで拍手喝采。それを速く 安く撮るから会社は儲かる。そういうからくりなんだよ。」
ひなた「そうかもしれへん。おんなじセットで おんなじ場所で おんなじことが起きて おんなじクライマックス おんなじ大立ち回り。あんたの言うとおりかもしれへん。それでも…。」
幼いひなたがジョーと棗黍之丞のテレビドラマを観ている回想シーン。
悪漢に捕まえられたおゆみ(すみれ)が叫んで助けを呼ぶと「暗闇でしか見えぬものがある。」
そのセリフが聞こえると「あっ 来た!」と喜ぶテレビの前の幼いひなた。
黍之丞の登場に、喜びテレビに向かって「黍之丞!」と声を掛けるひなた。
ひなた「それでも私は夢中やった。黍之丞やおゆみちゃんの運命にハラハラしてた。それが ばかって言うんやったら…私は…ばかで良かった!」
五十嵐「お前…。はぁひきょうだぞ。」
ひなた「ひきょう?」
五十嵐「そんな特殊な回のことを持ち出してくるなんて。『黍之丞危機一髪 おゆみ命がけ』」
その言葉にすみれと轟が反応している。
五十嵐「おゆみが止めるのも聞かず黍之丞は刀を捨てる。」
テレビ画面の中のおゆみ「わたしのことはいいから。ご自分のお命 大切になさってください!」
五十嵐「極悪非道の悪党は おゆみを突き飛ばし その背中を袈裟斬りにする。『おのれ ひきょうなり!』怒りに燃えた黍之丞は次々と素手で悪党たちを倒す。まるでカンフーのように…。」
轟やまわりのスタッフたちが五十嵐の話に聞き入り「素手?」「カンフー!?」と反応している。
五十嵐「そしておゆみに駆け寄る。するとおゆみは…。」
ひなた「目を開ける!『黍様。ご無事でよかった』」
五十嵐のそばに行くひなた。
五十嵐もひなたの方に向き直る。
五十嵐「『おゆみ!』と 背中の傷を確かめようとする黍之丞。はっと驚く。」
ひなた「おゆみの羽織っていた綿入れの中には座布団が…。」
五十嵐「『これは?』」
ひなた「『黍様のために作った座布団です。』」
五十嵐「『それがしのために…』」
ひなた「『お団子を食べてる時 いつもお尻が冷たそうだから…』」
そばで見ているスタッフ「それどういう設定?」
ひなた「『黍様。ゆみのために刀を捨ててくださったのですね。』」
五十嵐「『おゆみ』」
五十嵐の手を取るひなた。
ひなた「『ゆみは 三国一の幸せ者でございます。』」
ひなたの手を取り直す五十嵐「『おゆみ』」
手に手を取り、見つめ合う五十嵐とひなた。
轟「おい!そこの2人。」
はっと我に返る五十嵐とひなた。
轟「つまみ出し。」
そそくさとスタジオから出ていく五十嵐とひなた。
虚無蔵が何か考えるように見ている。
轟「すみれさん。入れますか。」
すみれ「『おゆみ命懸け』 轟さんが初めて演出してくださった回ね。」
轟「あぁ…。覚えてはるんですか。」
すみれ「もちろん。(思い出し、笑いながら)何やらせるんだって笑ってたわね。モモケンさんも。」
轟「当時 ブルース・リーが流行っててなぁ。ハハッ。いらん演出すなって先輩に怒られたわ。」
スタッフ「何でおゆみが座布団 背負て歩いてたんかいまだによう分からんしなぁ。」
他のスタッフたちも穏やかに笑いあっている。
榊原もホッとしたように笑顔になるが、虚無像は難しい顔をしたまま。
休憩所に入る五十嵐とひなた。
五十嵐はドンとソファに座り、ひなたもそばの小上がりの座敷に腰掛ける。
五十嵐「お前のせいだからな。今日の仕事がパーだ。」
ひなた「はぁ?仕事て。斬られる役者さんのお芝居見て勉強してるだけでしょ。衣装までつけて その気になって あほみた〜い。 けど… あんたも見てたんやな『黍之丞』。子供の頃から。」
背面の壁に貼ってある黍之丞のポスターに目を向け、五十嵐の方に向き直ると五十嵐がソファにいない。
ひなた「えっ。」
みるとソファの後ろの床に寝ている五十嵐。
五十嵐をトントン叩いて起こそうとするひなた。
ひなた「ちょっと! 何でそうやってすぐ寝んの あんたは! ホンマ どこまでふざけたら気ぃ済むん? ちょっと! 五十嵐。何 寝てんの! ちょっと。」
[ TO BE CONTINUED ]
「カムカムエブリバディ」今日の感想
スタジオの片隅で、おひながすみれさんにお茶の作法を教えている姿、五十嵐と棗黍之丞を再現しているのをずっと見ていた虚無蔵さん。難しい顔をして、何を考えていたんでしょうね。
それにしてもひなたと五十嵐…。子供の頃、ものっすごい集中して棗黍之丞シリーズをテレビにかぶりつくように見てたのが想像できます。二人して北島マヤかよ、と。
今は仲の悪い2人だけど、なるほど、こりゃあ意気投合する時が来るわと納得してしまいました。
とは言え、元祖北島マヤであるすみれさんの棒演技! 逆に、棒を演じるのが上手すぎて笑っちゃいました。恐ろしい子!!
来週、少しは2人は仲良くなれるのかな? 楽しみに待ちます!!
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